速筋(白筋)と遅筋(赤筋)の違いと割合、鍛え方のまとめ

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)は機能や作用が大きく異なります。

今回は速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の違いや割合、鍛え方(トレーニング方法)を中心に記載します。

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筋肉の概要

筋肉は筋繊維という繊維束が密集され構成されています。

筋繊維は大きく以下の2つの繊維に大別されます

・速筋繊維(白筋繊維)

・遅筋繊維(赤筋繊維)

速筋繊維と遅筋繊維は筋肉の色だけでなく、筋繊維の太さや筋収縮の速度、筋疲労の速さなどが異なります。

それぞれの繊維の特徴を以下に述べていきます。

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の読み方と色

速筋は(そっきん)、白筋は(はくきん・はっきん)と読みます。

名前通り、筋繊維の色は白色です。

遅筋は(ちきん)、赤筋は(せききん・せっきん)と読みます。

名前通り、筋繊維の色は赤色です。

速筋繊維(白筋繊維)の概要と特徴

速筋繊維(白筋繊維)は瞬発力に優れている筋肉です。

速筋繊維(白筋繊維)は、短時間に大きな筋収縮力を行うことで瞬発力を発揮します。

瞬発力を担保するため、速筋繊維(白筋繊維)には以下の特徴があります。

・筋収縮速度が速い

・筋繊維径が大きい

短時間で大きな筋収縮力発揮を考えた場合、残る課題は筋繊維の太さです。

筋繊維は太い方が高い筋収縮力を発揮できます。

そのため速筋繊維(白筋繊維)はトレーニングで鍛えることで筋肥大を生じさせることができます。

短距離走を走る選手が筋骨隆々としているのは、速筋を効率的に鍛えた結果といえます。

話は脱線しますが、カレイなどの白身魚の色が白いのは速筋繊維(白筋繊維)保有量が多いためです。

カレイは普段は海底に身を潜め、瞬時に小魚を捕食することで生命を維持しています。

仮にカレイが瞬発性に優れなければ飢えてしまいます。

生き残る過程で速筋繊維(白筋繊維)保有量が多くなったと推察されます。

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遅筋繊維(赤筋繊維)の概要と特徴

遅筋繊維(赤筋繊維)は持久力に優れている筋肉です。

遅筋繊維(赤筋繊維)は、長時間にわたり持続的な筋収縮を行うことで持久力を発揮します。

持久力を担保するため、遅筋繊維(赤筋繊維)には以下の特徴があります。

・筋疲労が遅い

・筋収縮のエネルギー産生は酸素を消費(有酸素運動)

長時間にわたり持続的な筋収縮を行うことを考えた場合、主の阻害要因は筋疲労です。

つまり遅筋繊維(赤筋繊維)が筋疲労しなければ持続的な筋収縮は担保され長時間の運動が可能となります。

筋疲労と遅筋繊維(赤筋繊維)の関係性

筋疲労と遅筋繊維(赤筋繊維)の関係性を要約すると、以下の3点になります。

①筋収縮のエネルギー産生が酸素から解糖に切り替わる運動強度限界値がAT

②ATを下回った運動では、酸素供給不足に陥らず筋疲労物質のリン酸は蓄積されない

③遅筋繊維(赤筋繊維)はトレーニングで鍛えることでATを高めることができる。

以下に詳細を説明します。

ATとは?

AT(無酸素性作業閾値)とは血中乳酸濃度が急激に上昇し始める手前の運動強度限界値のことです。

遅筋繊維(赤筋繊維)を主体とした長距離マラソンなどの運動は筋収縮のエネルギー消費を酸素供給(有酸素)で行います。

マラソンの距離が伸び、運動強度が徐々に増大していくと、人によっては筋収縮のエネルギー消費に必要な酸素供給量が追い付かなくなります。

この場合、筋収縮のためのエネルギー産生が解糖系(無酸素)に切り替わります。

解糖系では乳酸性機構によりピルビン酸が乳酸に分解され血液中の乳酸濃度が急激に上昇します。

血中乳酸濃度が急激に上昇し始める手前の運動強度限界値がATです。

筋疲労により、AT後に産生される乳酸は筋疲労回復物質として作用します。

筋疲労の主原因はリン酸の蓄積

筋疲労の主原因は血中にリン酸が蓄積することです。

筋収縮のエネルギー物質であるATPは酸素の働きでADPとリン酸が結合した物質です。

上述したマラソンを例にとると、マラソンの距離が伸び、運動強度が徐々に増大していくと酸素供給量が追い付かなくなります。

酸素供給量不足によりATPが分解されリン酸が血中に蓄積されます。

リン酸はカルシウムと結合します。

その結果、筋の収縮・弛緩に作用するカルシウムイオンが阻害され筋疲労が出現します。

遅筋繊維(赤筋繊維)のトレーニングはATを高める

筋疲労を抑制するにはATを高めリン酸の蓄積を回避する必要があります。

遅筋繊維(赤筋繊維)をトレーニングで鍛えることでATは高まります。

長距離走を走る選手が細いのに持久力に秀でているのは、遅筋を効率的に鍛えATが高まった結果といえます。

話は脱線しますが、回遊魚であるマグロは静止できないため持久力に秀でている必要があります。

そのためマグロは遅筋繊維(赤筋繊維)保有量が多く色が赤いという特徴をもちます。

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速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の割合

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の割合は以下の因子で決定します。

・個人因子

・筋因子

個人因子に関して

言葉通りの意味ですが先天的な因子として個人差があるということです。

上述したように速筋繊維(白筋繊維)は鍛えることで筋肥大が生じます。

しかし同じ鍛え方をしても早期に筋肥大する方もいれば、そうでない方もいます。

この差が先天的な因子である個人因子です。

筋因子に関して

これは各筋において速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の割合が異なるという意味です。

どの筋でも50%対50%ではありません。

速筋繊維(白筋繊維)割合が高い筋肉

速筋繊維(白筋繊維)割合が高い筋肉の一例が以下の筋肉です。

・大腿直筋

・胸鎖乳突筋

・上腕三頭筋

大腿直筋は大腿四頭筋の中で唯一の二関節筋です。

膝関節伸展のみならず、フォースカップルにて股関節屈曲(骨盤前傾)にも作用します。

膝折れの予防や姿勢制御など瞬発的な動作貢献度が高く速筋繊維(白筋繊維)割合が高いと推察されます。

遅筋繊維(赤筋繊維)が高い筋肉

遅筋繊維(赤筋繊維)割合が高い筋肉の一例が以下の筋肉です。

・ヒラメ筋

・前脛骨筋

ヒラメ筋と前脛骨筋の遅筋繊維(赤筋繊維)割合が高い理由が足関節戦略です。

健常者の足関節に着目すると、安静立位では足関節背屈位で保持し姿勢制御する戦略をとっています。

下腿三頭筋の筋紡錘(錐内筋繊維)は足関節背屈の程度、つまり自重による下腿三頭筋の伸張に応じ、Ⅰa群繊維とⅡ群繊維を介してa繊維の興奮・抑制を調整し筋収縮を調節しています。

立位動作を持続的に遂行できるのはヒラメ筋と前脛骨筋の遅筋繊維(赤筋繊維)割合が高いためだといえます。

筋紡錘と腱紡錘に関する詳細はこちらです。お時間があったら閲覧ください。

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の鍛え方

速筋繊維(白筋繊維)の鍛え方

速筋繊維(白筋繊維)の鍛え、筋肥大を生じさせるには筋繊維内を低酸素状態にする必要があります。

理由は、筋繊維を修復する筋サテライト細胞は筋繊維内が低酸素状態に陥ると活性化するためです。

筋繊維内を低酸素状態にする筋トレには以下の2つの方法があります。

・高負荷低頻度の筋トレ

・中負荷低頻度の筋トレ(スロートレーニング)

この2つのトレーニング方法や、筋肥大させるのに必要な食事、負荷量と回数設定に関するまとめ記事がこちらです。

遅筋繊維(赤筋繊維)の鍛え方

リハビリの主対象者である高齢者は退行性変化に付随し臥床時間が延長しやすいです。

長期臥床により筋委縮が優位に進行するのは遅筋繊維です。

特に抗重力筋の遅筋繊維は臥床により重力に抗して収縮する必要性が損なわれると優位に委縮が進行します。

そのため足関節戦略の再構築をはじめとした姿勢矯正を図る場合、重点的に筋力強化すべきなのは遅筋繊維(赤筋繊維)です。

遅筋繊維(赤筋繊維)は低負荷高頻度で鍛えることが可能です。

ダイアゴナルやカフレイズなどの運動で効果が乏しい場合、負荷量ではなく頻度が圧倒的に少ないことが問題の大半を占めます。

特に頻度は意識して定期的に見直すことが大切です。

まとめ

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の違いや割合、鍛え方を記載しました。

瞬発力を発揮し筋肥大するのが速筋繊維(白筋繊維)です。

持久力に優れる反面、長期臥床で委縮しやすく、姿勢矯正で重点的に鍛えるべき筋繊維が遅筋繊維(赤筋繊維)です。

速筋繊維(白筋繊維)と遅筋繊維(赤筋繊維)の特徴を押さえ意識して鍛えるリハビリを展開することは重要です。

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