極超短波(マイクロ波)の効果と禁忌、使用方法に関して

極超短波(マイクロ波)は、どちらかというとマイナーな物理療法機器ですが、数少ない深層部位の温熱が可能です。

ハード面の問題で機器自体が設置されていない病院施設が多いかとは思いますが、活用可能であれば利点は大きい物理療法機器です。

今回は極超短波の概要と効果、臨床上の使用感について記載します。

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極超短波(マイクロ波)とは?

極超短波は電磁波(高周波)の一種です。

極超短波の周波数は2450MHz、波長は12.5cmであり、電子レンジと同じ周波数を用いた温熱療法です。

極超短波の50%は皮膚で反射され、残りの50%は組織の分子を振動させて摩擦熱を生じさせます。

この摩擦熱が温熱を生じさせる機序となります。

金属は摩擦熱を吸収しやすく周囲組織よりも温度が上昇します。

そのため金属部位への極超短波の照射は禁忌です。

極超短波照射前に、金属挿入有無の情報収集は必ず実施してください。

極超短波(マイクロ波)の効果

臨床上、特に覚えておくべき効果は以下の2点です。

血流改善による疼痛緩和

不良姿勢等が原因で筋肉に持続的な過緊張が生じる場合や、持続牽引された状態で筋肉が保持される場合、慢性的な筋虚血状態に陥り炎症が出現します。

この筋虚血状態に対する痛みに対して極超短波の温熱療法は効果を発揮します。

具体的には、極超短波により局所的に温められた部位は血管拡張、血流増大され筋虚血状態が改善します。

血流増大により発痛物質のブラジキニンが押し流され、疼痛が緩和します。

軟部組織の伸張性増大

極超短波による温熱作用により結合組織の弾力性が向上し伸張性が増大します。

極超短波は表層から約3cm~4cm到達し、深層の筋肉をターゲットにできることが強みです。

同じ温熱療法でもホットパックは表在性温熱療法のため、温熱作用は表層から役1cmまでしか到達しません。

ホットパックの詳細はこちらです。

極超短波(マイクロ波)の禁忌

以下の場合は極超短波の禁忌となります。極超短波を施行する際は医師の指示に従って実施してください。

①体内に金属製物質が埋め込まれている場合、金属部位周囲への照射は禁忌

※金属は極超短波(マイクロ波)の熱吸収率が高いため照射すると短時間で高熱となり大変危険です。

②ペースメーカー使用者

③妊婦の腹部

④眼球、睾丸

⑤急性期の炎症を認める場合

⑥知覚障害を認める場合

⑦皮膚疾患がある場合

⑧創傷部がある場合、創傷部への施行は禁忌

⑨非対称性末梢循環障害を認める場合

⑩悪性腫瘍

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極超短波(マイクロ波)の使用方法

①極超短波機器本体の電源を入れます

②照射アンテナを照射部位から5cm~10cm離し、照射部位に対して直角に照射するようにセットします。

③タイマーの時間を15分~20分にセットします。

④出力は、対象者が心地よいと感じる強さに調整します。50W~120Wが目安です。

※実施中は自覚症状を確認し低温火傷に注意してください。

極超短波(マイクロ波)の臨床使用感

臨床では筋・筋膜性腰痛者に対し、極超短波を多裂筋・脊柱起立筋に照射しつつ、筋への徒手伸張を行い、相乗効果を図りました。

生活期リハビリにて膝伸展角度-110度、筋性拘縮と関節性拘縮が混在し、わずかな徒手伸張で防御性収縮と疼痛が出現する方を担当したことがあります。

その方に対し、20分程度の極超短波の照射後に徒手伸張することで防御性収縮と疼痛が軽減した経験があります。

筋性拘縮へのアプローチとしては非常に有用でした。

拘縮の概要とリハビリ詳細はこちらです。

まとめ

極超短波(マイクロ波)の概要と効果、臨床上の使用感について記載しました。

高齢者は多裂筋が萎縮している場合が多く、極超短波と徒手伸張の相乗効果を図ることは臨床上有用だと考えます。

また筋性拘縮で筋腱移行部の伸張を図るスタティックストレッチを行う前に防御性収縮が出現する場合、1つの評価として極超短波後に防御性収縮の出現有無を把握する方法があります。

極超短波は機器重量が重く持ち運びは不便ですが、セット自体は簡易的に行えます。

勤務先に機器が設置していれば積極的に使用してほしい物理療法機器の1つです。

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