肩凝り(肩こり)の根本的原因を解消・改善するリハビリ7種

一般的に言われる肩凝り(肩こり)は頸肩腕症候群という正式名称があります。

肩こりは根本的原因を特定し解消しないと慢性化する特徴があります。

今回はつらい肩こりの根本的原因を解消・改善するリハビリ方法に関して記載します。

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肩凝り(肩こり)の症状と原因

肩こりは整形外科的症候群の1つに分類されます。

肩こりの症状

レントゲンなどの他覚初見で明らかな異常が見当たらないのにも関わらず、以下の単一・複数部位に慢性疼痛やしびれなどが出現します。

・頸部

・肩甲帯

・上肢

・前腕

・手指

肩こりの原因

肩こりは筋肉が慢性的な筋虚血状態に陥り炎症を呈することが原因で生じます。

原因が生じる機序は主に2通りです。

①筋肉に持続的な過緊張が生じることで慢性的な筋虚血状態に陥り炎症が生じる

②筋肉が持続伸張位で保持・牽引され慢性的な筋虚血状態に陥り炎症が生じる

上述した機序でなぜ筋虚血が生じるかの詳細がこちらです 。お時間があったら閲覧ください。

肩凝り(肩こり)が生じやすい筋肉と理由

肩こりには生じやすい筋肉と生じにくい筋肉が存在します。

肩こりが生じやすい筋肉のトップ3筋は以下の通りです。理由を述べていきます。

①僧帽筋上部繊維

②肩甲挙筋

③大・小菱形筋

僧帽筋上部繊維に肩こりが生じやすい理由

上述した機序でいうと僧帽筋上部繊維は過緊張による筋虚血で肩こりが生じます。

僧帽筋上部繊維が過緊張する理由は頭部前方突出姿勢下で頭頚部伸展位を保持することで持続的な筋収縮を強いられる理由が主です。

頭部前方突出姿勢で目線を前方に移動すると上部頸椎は過伸展します。

その姿勢保持が持続すると僧帽筋上部繊維の筋短縮が生じ悪循環が形成されます。

頭部前方突出姿勢は胸椎過後弯の運動連鎖で生じます。

胸椎過後弯を呈する代表的な不良姿勢が円背です。

円背は脊椎湾曲症の一種で胸椎が過後弯した状態をさします。

胸椎過後弯の機序は胸椎以下の筋力低下や過緊張、骨性変化が主要因で生じます。

胸椎レベルでは、生活習慣や退行性変化に伴い僧帽筋中部・下部繊維の筋力・筋出力低下や大胸筋の過緊張が生じると胸椎過後弯が形成されます。

腰椎レベルでは、赤筋繊維含有量が多い脊柱起立筋に筋力低下が生じると骨盤前傾が減弱し骨盤後傾を呈します。

骨盤後傾位では運動連鎖により胸椎過後弯が形成されます。

下肢レベルでは、赤筋繊維含有量が多い大腿四頭筋(内側広筋)が筋委縮しやすい反面、ハムストリングスは委縮し難く、短縮位で過緊張が生じやすいです。

ハムストリングスの短縮により股関節・膝関節屈曲が生じ運動連鎖により骨盤が後傾することで胸椎過後弯が形成されます。

このような機序で胸椎過後弯が形成された結果、頭部前方突出が運動連鎖で生じ僧帽筋上部繊維が過緊張します。

健常者でも長時間の骨盤後傾座位(仙骨座り)は体幹伸展筋や僧帽筋中部・下部繊維の筋出力低下、筋委縮を進行させ胸椎過後弯を形成するため注意が必要です。

肩甲挙筋に肩こりが生じやすい理由

上述した機序でいうと肩甲挙筋は持続牽引による筋虚血で肩こりが生じます。

理由は、頭部前方突出姿勢と左右肩甲骨の外転位固定姿勢により肩甲挙筋の起始・停止の距離が延長するためです。

左右肩甲骨が外転する機序も胸椎過後弯が大きく関与します。

胸椎過後弯により身体重心が後方へ移動します。

身体重心位置を中央点に戻す作用として頭部前方突出と左右肩部前方突出が運動連鎖で生じます。

左右肩部前方突出は左右肩甲骨を外転させるよう作用します。

持続した肩前方突出は大胸筋の短縮・過緊張を増大させ、肩甲骨の外転位固定がより強固となる悪循環を形成します。

大・小菱形筋に肩こりが生じやすい理由

上述した機序でいうと大・小菱形筋は持続牽引による筋虚血で肩こりが生じます。

理由は、左右肩甲骨が外転位に固定されることで大・小菱形筋の起始・停止距離が延長するためです。

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肩凝り(肩こり)の根本的原因を解消するリハビリ治療

根本的解決には肩こりを生じさせている不良姿勢の姿勢矯正が必要です。

上述したように頭部前方突出位は胸椎過後弯の運動連鎖で生じます。

そのため胸椎過後弯を形成する筋緊張異常と筋力・筋出力低下を是正する必要があります。

具体的なリハビリの順序・方法は以下のとおりです。

①過緊張を認める筋肉の緊張緩和

②持続牽引を認め筋力・筋出力の低下を認める筋の筋力増強

僧帽筋上部繊維の緊張緩和を図るマッサージとストレッチ方法

・マッサージ方法

僧帽筋上部繊維へのマッサージは圧迫法が効果的です。

具体的には停止部を持続圧迫しリリースする方法や母指と示指の先端で僧帽筋を挟み込む二指圧迫法が選択されます。

マッサージに関する概要と具体的手法の詳細はこちらです 。

・ストレッチ方法

①僧帽筋上部の左側を伸張

椅子座位で背筋を伸ばし左手を背中に固定します。

頸部を右側屈すると伸張します。右手で牽引するとストレッチ強度が増大します。

②僧帽筋上部・中部繊維を複合して伸張

椅子座位で背筋を伸ばします。両手を後頭部で組み頸部のみ屈曲方向へ牽引します。

大胸筋の緊張緩和を図るストレッチ方法

立位で肘をもちあげ壁につけます。体を対側へ回旋させ伸張させます。

腕の高さを変えることで上部・中部・下部繊維の伸張が可能です。

肩甲挙筋の筋力増強練習

静的立位保持にて両肩を下垂した状態から肩を挙上しすくめます。

重錘を把持することで運動負荷量が増大します。

大・小菱形筋の筋力増強練習

静的座位にて両肘屈曲90度で左右上腕を体幹につけます。

その状態で左右肩甲骨が内転を意識しつつ腕が体幹から離れないように後方へ滑らせます。

僧帽筋中部・下部繊維の筋力増強練習

フェイスタオルを用意します。

左手でタオル左遠位、右手でタオル右遠位を把持します。両手で把持したまま両腕をあげ、頭の後ろにタオルを持っていきます。

左右方向に5秒タオルを引っ張ります。これを1セットとして筋トレを実施します。

バルサルバ効果による血圧上昇に留意しリスク管理の下行ってください。

脊柱起立筋の筋力増強練習

ダイアゴナルを実施します。

四つ這いから一側の上肢と反対側の下肢を拳上し保ちます。

困難であれば一側上肢のみか一側下肢を挙上します。

運動負荷を高める場合は同側上下肢を挙上します。

下肢のストレッチと筋力増強練習

ハムストリングスの過緊張、大腿四頭筋(内側広筋)の筋委縮は骨盤後傾に作用し胸椎過後弯を形成する一要因です。

他にも大殿筋、腹直筋の過緊張は骨盤後傾に作用します。

骨盤前傾に作用する腸腰筋・大腿直筋の筋委縮・筋出力低下により骨盤後傾が生じている可能性もあるため必要に応じて筋力増強練習を実施します。

まとめ

肩こりの根本的原因を解消・改善するリハビリ方法に関して記載しました。

肩こりの根本的治療は不良姿勢に対する姿勢矯正を行う必要があります。

具体的には胸椎後弯を形成する過緊張筋の緊張緩和と筋出力・筋力低下筋への筋力増強練習の実施が必要となります。

肩こりが生じる僧帽筋・肩甲挙筋と大・小菱形筋はいずれも肩甲骨に付着しています。

肩甲骨の動きは付着する筋の筋収縮作用に依存しています。

そのため肩甲骨に付着する筋肉の短縮や過緊張で肩甲骨の可動域制限が生じると肩甲骨に付着する他の筋肉も筋緊張異常を呈することは覚えておくべきポイントです。

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