骨盤の歪みとは?歪む原因と症状、矯正するリハビリ方法

不良姿勢は骨盤の歪みが原因で生じているという分析がテレビやネットでよく見受けられますが、個人的には少し語弊があると思います。

具体的には、骨盤自体は簡単には歪まないと考えています。

その理由を考察しつつ骨盤の歪みとは何を指すのか?その原因と症状、矯正するリハビリ方法に関して記載します。

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骨盤の歪みとは?

骨盤は以下の骨で構成されています。

・仙骨

・坐骨

・寛骨(恥骨+坐骨+腸骨)

関節構成は以下の通りです。

・寛骨と大腿骨で股関節

・仙骨と腸骨で仙腸関節

・第5腰椎と仙骨で腰仙関節

上述の通り骨盤形成は骨が主体です。骨盤自体を歪ませるには骨を外力で変形させる必要があります。

しかし骨は柔軟性に乏しいため、強い外力では歪む前に骨折が生じます。

そのため骨盤が歪むという事象はそう簡単に生じる事象ではないと考えます。

世間一般でいう骨盤のゆがみは、以下の関節運動の総称として多用されているのだと思います。

・矢状面上の骨盤前後傾の増大

・前額面の骨盤拳上と下制による左右不均等

・水平面上の骨盤回旋による左右不均等

以下に骨盤が歪む原因である骨盤の前後傾が増大する理由と、骨盤拳上・回旋による左右不均等が生じる理由に関して記載します。

骨盤が歪む原因である骨盤前後傾の増大理由

骨盤の前傾は以下の筋の筋収縮により生じます。

・大腰筋

・大腿直筋

・脊柱起立筋

骨盤の後傾は以下の筋の筋収縮により生じます。

・腹直筋

・大殿筋

・ハムストリングス

立位では骨盤を前傾させる筋肉と後傾させる筋肉が協調しあって骨盤前後傾の角度調整を行っています。

協調性が担保されている場合、骨盤前後傾の関節運動は同時に2つ以上の筋が反対方向へ力を発揮し遂行します。

例えば、骨盤前傾は脊柱起立筋の求心性収縮と大腰筋・大腿直筋の求心性収縮により生じますが、脊柱起立筋と大腰筋・大腿直筋には反対方向の力が働いています。

脊柱起立筋の収縮は骨盤背面を上方向に引っ張ります。大腰筋・大腿直筋の収縮は、骨盤腹面を下方向に引っ張ります。

筋収縮自体は反対方向の力ですが双方の筋収縮は結果として骨盤を前傾させる力のモーメントを発生させます。

このように1つの関節運動を行う際、同時に2つ以上の筋が反対方向へ力を発揮する力の対のことをフォースカップルといいます。

フォースカップルは、単一筋の負担を軽減しつつ運動が遂行可能となる利点があります。

骨盤後傾の場合、腹直筋と大殿筋・ハムストリングスに反対方向の力が働いています。

腹直筋の収縮は、骨盤腹面を上方向に引っ張ります。大殿筋・ハムストリングスの収縮は、骨盤背面を下方向に引っ張ります。

筋収縮自体は反対方向の力ですが双方の筋収縮は結果として骨盤を後傾させる力のモーメントを発生させます。

骨盤が歪む原因である骨盤前後傾が増大する理由は上述した協調性が破綻したためです。

例えば大腰筋と脊柱起立筋の過緊張が生じ腹直筋・大殿筋・ハムストリングスに筋力低下・筋出力低下が生じている場合、骨盤は前傾位で保持され関節運動が制限されます。

このように筋短縮、筋緊張異常、筋力・筋出力の低下は特に協調性を破綻させる要因となります。

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骨盤が歪む原因である骨盤挙上の増大理由

骨盤の拳上に関与する筋肉は腰方形筋です。

腰方形筋は体幹の後側面の深層に位置するインナーマッスルです。

骨盤が歪む原因である骨盤挙上の増大理由は左右どちらかの腰方形筋の短縮や過緊張が主原因です。

腰方形筋は腰椎を側屈させる主動作筋であり、不良姿勢により左右どちらかの腰方形筋に短縮や過緊張が生じると、骨盤の高さが左右で異なる現象が生じます。

腰方形筋が酷使される歩様として、脳卒中片麻痺者の分回し歩行があげられます。

下腿三頭筋の筋緊張亢進により、腓腹筋による麻痺側Tst時の蹴りだしが行えず前方への推進力を骨盤拳上(腰方形筋による腰椎側屈作用)・股関節内転・内旋で代償することが理由です。

脳卒中片麻痺で下腿三頭筋の筋緊張が亢進する理由がこちらです。

骨盤が歪む原因である骨盤回旋の増大理由

骨盤の回旋要因は多岐にわたりますが主要因は3点です。いずれかの要因もしくは複数要因が関与することで回旋動作は生じます。

①内・外腹斜筋等の体幹回旋筋の筋出力・筋力・筋緊張が左右不均等になった結果、骨盤が回旋します。

②中殿筋、腰方形筋等の左右骨盤に付着する筋の筋出力・筋力・筋緊張が左右不均等になった結果、骨盤が回旋します。

③腸腰筋・ハムストリングス等の股関節以下の関節角度に関与する筋の筋出力・筋力・筋緊張が左右不均等になった結果、骨盤が回旋します

骨盤の歪みで生じる症状

骨盤の歪みは筋肉の過緊張や筋出力低下により生じます。

持続的な過緊張は筋虚血を生じさせ疼痛を発生させ関節包外の腰痛や股関節痛を生じさせる一要因となります。

また筋肉は伸張位で保持されても筋虚血による疼痛が生じます。

このように骨盤の歪みにより骨盤の関節運動が制限されればされるほど、股関節周囲筋の筋虚血は進行し疼痛発生の主原因となります。

筋が短縮位で保持されても伸張位で保持されても疼痛が発生する理由がこちらです。

骨盤の歪みを矯正するリハビリ方法

骨盤を歪ませる原因は骨盤前後傾の増大、左右一側の骨盤挙上・回旋角度増大によって生じます。シンプルに左右不均等の姿勢により骨盤は歪みます。

骨盤前後傾、挙上、回旋に関与する筋肉は上述した通りです。

緊張を認める筋の緊張緩和を図りつつ、筋力・筋出力低下を認める筋の筋力増強練習を図ることで理論的には骨盤の歪みの矯正が可能です。

骨盤の前後傾、挙上、回旋が拘縮によって生じている場合、筋性・関節性拘縮であればリハビリで姿勢矯正が図れますが骨性の場合は困難です。

エンドフィールを見極めリハビリアプローチする必要があります。

拘縮に関するまとめ記事がこちらです 。

まとめ

骨盤自体が簡単には歪まない理由と、骨盤が歪む原因と症状、矯正するリハビリ方法に関して記載しました。

骨盤が歪みは結果でなく1つの事象です。骨盤が歪んでいる要因をリハビリ評価突き止めて不良矯正し根本的解決を図ることが大切です。

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