下腹部のぽっこりお腹(骨盤前傾)を解消するリハビリ8種

立位姿勢で下腹部がぽっこりお腹となり肥満体型に悩む方も多いのではないでしょうか?

下腹部のぽっこりお腹は内臓脂肪量が少なく皮下脂肪量が多い肥満で生じることが多いです。

今回は肥満の概要と下腹部のポッコリお腹を解消するリハビリ方法に関して記載します。

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下腹部がぽっこりお腹となる肥満とは?

肥満の定義と判定基準

肥満は体脂肪が過度に蓄積した状態をさし、肥満の判定は体脂肪率、BMI値が基準となります。

体脂肪率は男性20%以上、女性30%以上で肥満と判定されます。

BMI(Body Mass Index)値は男女共に25以上で肥満と判定されます。

BMI値が25以上で腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満が示唆されます。

肥満の分類

肥満は大きく2つに分類されます。

・内臓脂肪型の肥満

・皮下脂肪型の肥満

体型の見た目が果物に似ていることから別名があります。

・内臓脂肪型の肥満は「リンゴ型肥満」

・皮下脂肪型の肥満は「洋ナシ型肥満」

リンゴ型肥満は内臓につく脂肪が多いことが特徴です。

脂肪肝、脳梗塞・心筋梗塞等の発症率を高める要因であり悪性肥満に位置づけられます。

一方、洋ナシ型肥満は下腹部・臀部・大腿を中心に皮下脂肪が多くついていることが特徴です。

洋ナシ型肥満は健康管理上そこまで大きな問題はなく良性肥満に位置づけられます。

下腹部がぽっこりお腹となり肥満は洋ナシ型肥満です。

下腹部がぽっこりお腹となる原因

下腹部がぽっこりお腹となる主原因が骨盤周囲筋の筋緊張異常・筋力低下に伴う骨盤過前傾と腰椎過前弯です。

下腹部についた脂肪が骨盤過前傾と腰椎過前弯に付随し前方移動することで視覚上下腹部のぽっこりお腹が形成されます。

骨盤過前傾と腰椎過前弯を生じさせる骨盤周囲筋の筋緊張異常・筋力低下について以下に述べます。

骨盤前後傾の角度調整する筋肉一覧

骨盤の前傾は以下の筋肉の筋収縮により生じます。

・大腰筋

・大腿直筋

・脊柱起立筋

骨盤の後傾は以下の筋肉の筋収縮により生じます。

・腹直筋

・大殿筋

・ハムストリングス

立位では骨盤を前傾させる筋肉と後傾させる筋肉が協調しあって骨盤前後傾の角度調整を行っています。

協調性が担保されている場合、骨盤前後傾の関節運動は同時に2つ以上の筋が反対方向へ力を発揮し遂行します。

例えば骨盤前傾は脊柱起立筋の求心性収縮と大腰筋・大腿直筋の求心性収縮により生じますが、脊柱起立筋と大腰筋・大腿直筋には反対方向の力が働いています。

・脊柱起立筋の収縮は骨盤背面を上方向に引っ張ります。

・大腰筋・大腿直筋の収縮は骨盤腹面を下方向に引っ張ります。

反対方向の力ですが作用する筋肉は骨盤を前傾させます。

このように1つの関節運動を行う際、同時に2つ以上の筋が反対方向へ力を発揮する力の対のことをフォースカップルといいます。

フォースカップルは単一筋の負担を軽減しつつ運動が遂行可能となる利点があります。

骨盤後傾の場合、腹直筋と大殿筋・ハムストリングスに反対方向の力が働いています。

・腹直筋の収縮は骨盤腹面を上方向に引っ張ります。

・大殿筋・ハムストリングスの収縮は骨盤背面を下方向に引っ張ります。

反対方向の力ですが骨盤を後傾させる力として作用します。

下腹部のぽっこりお腹を生じさせる骨盤過前弯は骨盤を前傾させる筋肉と骨盤を後傾させる筋肉の協調性破綻により生じます。

具体的な原因は以下の2つです。

①大腰筋の短縮・過緊張、脊柱起立筋の短縮・過緊張

②大殿筋の筋力・筋出力低下、腹直筋の筋力・筋出力低下が協調性破綻の原因です。

①・②いずれか又は両方の現象が生じると協調性が破綻し立位で骨盤過前傾が形成されます。

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腰椎前後弯の角度調整する筋肉一覧

脊柱(腰椎)の安定化は主に以下の筋肉が担っています。

・横隔膜(インナーユニット)

・腹横筋(インナーユニット)

・骨盤底筋群(インナーユニット)

・多裂筋(インナーユニット)

・大腰筋

インナーユニットは筋膜で連結されており、運動開始前に収縮することで腹腔内圧を上昇させ脊柱の剛性・安定性を担保します。

インナーユニットを含めたインナーマッスルの詳細とストレッチ・筋トレ方法はこちらです。 お時間があったら閲覧ください。

腰椎の前弯・後弯に関与する筋収縮は大腰筋と多裂筋が担っています。

大腰筋の作用

大腰筋は股関節屈曲、骨盤前傾、腰椎前弯に作用がありますが、股関節と骨盤の動きに付随し腰椎後弯作用があります。

矛盾しているようですが、双方の作用を担える鍵は大腰筋の走行にあります。

大腰筋は浅頭が第12胸椎から第4腰椎の椎体側面および椎間円板側面、深頭が全腰椎の肋骨突起を起始とし、大腿骨の小転子に停止します。

走行のとおり大腰筋は体幹、骨盤、大腿骨を走行します。

関節をまたぐ場合、筋作用は運動連鎖による力のモーメントを考える必要があります。

骨盤が前傾すると前方方向のモーメントが発生します。

身体重心投影点を安定性限界の中央点に投射するよう下部体幹には後方方向のモーメントが生じます。

後方方向のモーメントは腰椎後弯(前弯の減少)を生じさせ結果として大腰筋の筋収縮は腰椎後弯に作用します。

多裂筋の作用

多裂筋は脊柱の安定化が主の役割であるため、通常、腰椎の運動方向決定にそこまで大きく貢献しません。

しかし多裂筋は腰椎の横突起を起始とし棘突起に停止するため、筋委縮や過緊張を呈すると腰椎前弯方向へのモーメントを発生させます。

上述した骨盤前傾に付随し大腰筋、多裂筋の筋委縮・過緊張に伴う腰椎前弯が付随することで反り腰と下腹部のぽっこりお腹の形成が揺るぎないものになります。

また骨盤過前傾に加え腰椎過前弯が生じている姿勢では、上部体幹伸展で目線に前方に移動させる戦略をとります。

この姿勢では腰背部に持続的なメカニカルストレスが加わり筋筋膜性腰痛が発生しやすいです。

下腹部のぽっこりお腹を解消するリハビリ方法

骨盤前傾、腰椎過前弯を形成する筋緊張異常と筋力・筋出力低下にアプローチし姿勢改善を図ります。

具体的手順は以下の2つです。

・骨盤前傾作用筋と腰椎前腕作用筋の緊張緩和

・骨盤後傾筋の筋力増強

骨盤前傾作用筋と腰椎前弯作用筋の緊張緩和方法

脊柱起立筋のストレッチ方法

①背臥位で両膝を深屈曲し膝を両手で抱っこします。腕の力を使い両膝を頭の方に近づけ持続伸張します。

②体育座りから一側のみあぐらをかきます。右側の脊柱起立筋を伸張する場合、後ろを向くように右側へ頸部・体幹を大きく回旋させます。

左手や左肘を右膝で固定して行うと効果的です。

多裂筋のストレッチ方法

①椅子座位にて両股関節を外転し足を広げます。後頭部で両手を組みます。その状態で体幹深屈曲します。

股間に顔をうずめるイメージで行うと伸張しやすいかと思います。

②四つ這いになり腹部を見るように頸部を屈曲し背中を丸めます。

③バックオーバーで伸張します。バックオーバーは多裂筋の伸張効果が高いですが、課題難易度が高いことが欠点です。

大腿直筋のストレッチ方法

腹臥位になります。両足尖を両臀部につけるように膝を屈曲させます。

両手で膝を屈曲方向に牽引します。

手が届かない場合は足首にタオルを巻いて片足ずつ膝屈曲方向に牽引します。

股関節の内外旋が入らないように注意してください。

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大腰筋のストレッチ方法

片膝立ちの姿勢から反対下肢を伸展させ、下腿・足部と床の接地面積を大きくします。

片膝立ちしたほうの股関節を屈曲させていく対側下肢の大腰筋を持続伸張します。

骨盤後傾筋の筋力増強練習

脊柱起立筋の筋力増強練習

①ダイアゴナル

四つ這いになり一側の上下肢を拳上し体勢を保持します。難しいようであれば一側の上肢と対側下肢を拳上し保持します。

更に課題難易度を下げる場合は、一側の上肢もしくは下肢のみ挙上し保持します。

多裂筋の筋力増強練習

①バックブリッジ

臨床でよく使うバックブリッジは多裂筋・骨盤底筋群の筋力増強練習にもなります。

バックブリッジは効率的かつ効果的な運動です。

②ダイアゴナル

大腿直筋の筋力増強練習

①SLR

一側下肢を膝屈曲位にし、筋トレしたい下肢のSLRを実施します。

股関節の屈曲角度が50度前後になるまで挙上します。

足首に重錘を巻くことで運動負荷量が増大します。

②椅子座位での膝伸展運動

骨盤中間位で背筋を伸ばします。体幹・骨盤の前後傾が生じないよう一側下肢の膝関節伸展動作を実施します。

膝関節完全伸展位保持が困難な場合は、内側広筋の筋委縮によりエクステンションラグが生じています。

内側広筋の筋委縮予防、筋力増強方法の詳細はこちらです。

大腰筋の筋力増強練習

①SLR

一側下肢を膝伸展位にし、筋トレしたい下肢のSLRを実施します。

股関節の屈曲角度が70度前後になるまで挙上します。

腹腔内圧を上昇させるドローインを行いつつ実施すると効果的です。

ドローインを行うことで腹横筋の筋トレ相乗効果も得られます。

まとめ

肥満の概要と下腹部のポッコリお腹を解消するリハビリ方法に関して記載しました。

下腹部のぽっこりお腹を解消するには、骨盤前後傾と腰椎前後弯に作用する筋肉を把握し筋緊張異常の緩和と筋力増強練習を実施する必要があります。

特に骨盤・腰椎、双方の運動に作用する大腰筋は張力と筋力を担保する必要性が高くアプローチする優先度は高いです。

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