理学療法士がリハビリを進める上で情報収集すべき項目

理学療法士の新入職員や2年目職員は立案した目標が明確でないために治療や方向性が迷走してしまうことがよく見受けられます。

わたし自身が実際そうでした。

立案した目標が明確化できない理由に対象者の情報収集が不十分であることが挙げられます。

今回は入院時におけるリハビリの情報収集項目について記載します。

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入院時におけるリハビリの情報収集項目

上述したように明確な目標を立案するにあたり必要不可欠なのが情報収集です。

必要な情報が収集できれば出来るほど明確な目標設定に近づきます。

特に必要な情報は基本情報、医学的情報、他部門情報です。

基本情報

対象者情報

受傷した疾患(脳卒中等)がどの程度回復する見込みがあるかの予測(予後予測)に影響する重要な情報です。

特に年齢・性別・体重は疾患によっては予後を大きく左右します。

対象者希望

リハビリを遂行する上での対象者の希望です。仕事復帰や在宅退院等の希望であり対象者の意欲や生きがいに直結する重要な情報です。

日常生活に結びつく具体的な希望を聴取することがポイントです。

例えば「細くなった足を強くしたい」という希望であれば、強くした結果、日常生活で「15m先のスーパーまで1人で歩いて買い物する」まで聴取しましょう。

家族情報

在宅退院のハードルを下げる重要な情報です。

どの程度ご家族が対象者と関われそうなのか?ご家族の介助技術はどの程度なのか?退院月の予定(入院費・金銭面の影響)等を主に収集しましょう。

キーパーソンやご家族の協力が全く得られない場合、対象者が自宅退院するにはADL動作能力が自立する必要があります。

しかし、ご家族の協力が得られれば必ずしもADL動作が自立する必要はありません。 在宅退院のハードルを下げることが可能です。

家族希望

ご家族に対しリハビリ終了時における対象者のADL動作能力の希望を聴取します。

在宅退院にはトイレ動作自立が必須等の条件を収集しましょう。

住所と家屋状況

住所により自治体の福利厚生サービスが異なる可能性があります。詳細は対象者の自治体に確認しましょう。

在宅退院後にベッドから玄関までの導線に阻害要因があるか家屋状況の情報収集を実施します。

医学的情報

現病歴・既往歴

現病歴は、疾患名・発症日・画像データ・血液データが特に重要です。

発症日は予後予測に影響する重要な情報です。

例として脳卒中の場合、発症後3ヶ月までリハビリが行えないと仮定すると自然回復が見込める期間が残3ヶ月間とかなり短いと理解できます。

画像データは予後予測や出現する問題集約に役立つ重要な情報です。例えば内包が損傷すれば痙性麻痺が出現しますし小脳が損傷すれば運動失調が出現します。

問題点が集約できれば効率的にリハビリが行えます。

既往歴

既往歴があった状態での日常生活をどのように送っていたのか?が特に重要です。

例えば既往歴で6年前脳卒中右片麻痺があり脳卒中片麻痺を再発したとします。

この場合、既往歴の運動麻痺にアプローチしても効果は得にくいです。

既往歴と現病歴の運動麻痺の境界線(右足背屈は現病歴発症前までは可能等の情報)を知ることが大切です。

服薬情報

日常生活上、注意点を要する薬剤を飲用しているか否かが情報収集のポイントとなります。

例えば眠剤を使用しており夜間に転倒リスクが高い等の重要です。

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他部門情報

医師からの情報

疾患の予後や病院生活・退院後生活上における医学的な問題を情報収集します。

看護師からの情報

医療行為(PEGの管理や滴下、吸引等)に介助が必要か否かの情報を収集します。

在宅退院を目指す場合、家族指導の進行状況等の情報も収集します。

介護士からの情報

介護行為(オムツ交換や入浴)に介助が必要か否かの情報を収集します。

在宅退院を目指す場合、家族指導の進行状況等の情報も収集します。

管理栄養士からの情報

栄養状態の確認、肥満(生活習慣病)予防や褥瘡予防等の情報を収集します。

ケースワーカーからの情報

退院後に引き継ぐケアマネージャーの確保、サービス引き継ぎ状況の情報を収集します。

情報収集にて不明な項目は文献検索

私が新入職員の時を振り返ると予後予測を中心に不明な項目だらけでした。

年数が低く知識が乏しいため仕方ありません。

不明な項目は文献検索して調べることを推奨します。

J-STAGEやCiNii Articlesがわたしのお世話になった文献検索サイトです。

まとめ

適切な目標設定をするには情報収集が必要不可欠です。

上述した情報を収集することで目標立案可能な量の情報は収集できるかと思います。

最初は時間がかかりますが慣れてくると要点のみ収集できます。

対象者の希望を収集し信頼関係を構築することからリハビリを始めましょう。

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