理学療法評価の目的と種類、手順、順番のまとめ

私(理学療法士)は新入職員時代に理学療法評価の進め方に関する知見が不足しており臨床で困惑が記憶あります。

この困惑した状況に覚えがある方は結構多いのではないでしょうか?

新入職員や経験が浅い職員が私と同じ轍を踏まないよう臨床で使える理学療法評価の目的と種類、手順、順番を記載しました。

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理学療法評価の目的

理学療法評価の目的はリハビリ対象者に立案した短期目標と長期目標を阻害する問題点を抽出することです。

シンプルに考えると入院期間内に抽出した問題点をリハビリアプローチで改善すれば目標が達成可能です。

そのためにも問題点を抽出する作業は重要な工程です。

理学療法評価の注意点としては、評価に費やす時間はリハビリ対象者のメリットが少ないという点です。

リハビリ対象者は自身の機能回復や機能維持を目的にリハビリを行いたいと考えています

そのためには治療プログラムを立案しリハビリを展開する必要があります。

理学療法評価に時間を費やすとリハビリ治療を行える時間は相対的に短縮されます。

この事象はリハビリ対象者にとってデメリットでしかありません。

その為、適切かつ短時間で理学療法評価を終了しリハビリ治療時間を可能な限り担保することが重要です。

理学療法評価の種類

価方法評価は大きくトップダウン評価方法とボトムアップ評価方法の2種類に分類されます。以下に評価方法の相違点を記載します。

トップダウン評価とは

トップダウン評価とは目標とする動作を観察し問題点と予想した機能的な評価項目のみ測定する方法です。

評価を行う前にはリハビリ目標を立案します。

目標はADL動作と介助量で構築されることが一般的です。

トップダウン評価では、まず立案した目標のADL動作を観察します

観察結果を下に関節可動域制限や筋力低下等の機能的な問題点を絞り込む方法です。

問題点を抽出したら動作分析し、姿勢と問題点を統合します。

ボトムアップ評価とは

ボトムアップ評価とは目標とする動作に関係する機能的な評価項目をすべて測定する方法です。

測定後に目標となる動作の観察・分析し問題点を照らし合わせます。

評価を行う前にADL動作と介助量で構築されたリハビリ目標を立案します。

情報収集した内容を基に目標とする動作と個別因子に関係する機能的な評価項目をすべて測定する方法です。

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理学療法評価の手順

トップダウン評価方法とボトムアップ評価方法で手順が異なります。具体例を基に説明します。

具体例

現病歴が廃用症候群。短期目標が40cmの椅子から支持物なく起立。

トップダウン評価手順

トップダウンでは起立動作の動作観察を相分けし実施した後、予測した問題点のみ評価測定します。

動作観察

座位保持相:坐骨座り可能。膝関節屈曲角度は約90度

屈曲相:骨盤前傾と体幹前傾、股関節屈曲動作が円滑に可能。両足関節背屈が約0度。

臀部離床相:離殿直後、後方にバランスを崩し徒手での介助を要する。

上記の点が観察結果から得られたとします。

問題点の予測

両膝関節屈曲制限と両足関節背屈制限が生じているため臀部から足部への重心移動距離が長く臀部離床相で後方にバランスを崩すのではないか?

両股関節・膝関節伸展・体幹伸展筋力と両足関節底屈筋力の低下により、離殿直後の伸展動作が不十分で後方にバランスを崩すのではないか?

予測した問題点のみ評価測定

関節可動域測定(角度・エンドフィール)→両膝関節屈曲・伸展、両足関節背屈・底屈

筋力測定→両股関節伸展、両膝関節伸展、体幹伸展、両足関節底屈筋力

評価測定後

予想した問題点と評価結果に矛盾が生じていないか精査し問題点を抽出します。

トップダウン評価方法は効率的に評価を行える反面、評価にもれがないよう注意する必要があります。

例えば上述した問題点の予想には筋緊張異常が加わる可能性があります。

しかし足関節背屈制限により重心移動距離が延長し起立動作に介助を要すると結論づけてしまうと筋緊張の項目が抜けたまま問題点が立案されてしまいます。

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ボトムアップ評価手順

ボトムアップでは廃用症候群に影響する評価項目(関節可動域・筋力・筋緊張等)の評価をすべて実施します。

その後、起立動作を観察し評価結果と照らし合わせます。 トップダウンのデメリットである評価のもれはボトムアップでは解消されます。

しかし新たに時間が膨大にかかるというデメリットが生じるため、全ての項目をボトムアップ評価で行うことは現実的に困難です。

理学療法評価の順番

上述したようにリハビリ対象者は自身の機能回復や機能維持を目的にリハビリを行いたいと考えています。

適切かつ短時間で理学療法評価を終了しリハビリ治療時間を可能な限り担保することが重要です。

そのため、実際の臨床場面ではトップダウン評価方法が主軸となります。

トップダウン評価の中で掘り下げた方が良いと考えた評価項目のみボトムアップで評価し効率性と正確性を高めることが重要だと思います。

まとめ

臨床で使える理学療法評価の目的と種類、手順、順番を記載しました。

トップダウン評価方法は短時間で行えるメリットがある反面、評価がもれやすいというデメリットがあります。

評価のもれを少なくする近道は論理的思考過程を養いつつ、動作観察で生じている事象が抽出した問題点と相違ないかブラッシュアップすることが大切です。

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