ネットやメディアでダイエットに関して調べると様々な記事が散見されます。
個人的には健康的に脂肪を落とすダイエットの第一選択は食事療法による糖質制限だと考えています。
今回はダイエットで短期的かつ効果的に痩せる方法が食事療法による糖質制限だと考えた理由を記載します。
目次
ダイエットの主対象である肥満とは?
肥満の定義と判定基準
肥満は体脂肪が過度に蓄積した状態をさし、肥満の判定は体脂肪率、BMI値が基準となります。
体脂肪率は男性20%以上、女性30%以上で肥満と判定されます。
BMI(Body Mass Index)値は男女共に25以上で肥満と判定されます。
BMI値が25以上で腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満が示唆されます。
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以下に具体的なダイエット方法を記載します。
カロリー理論に基づいた食事制限ダイエット方法は非論理的
カロリー理論とは摂取カロリーと消費カロリーの収支により脂肪の増減が決定するという理論です。
例えば2500キロカロリー摂取して1500キロカロリーしか消費しなかった場合、1000キロカロリーが脂肪として蓄積されるという理論になります。
世間一般的にもカロリー理論は根強いですが、実はこの理論は大きく破綻しています。
根拠としては脂肪の増減の決定因子はカロリー摂取、消費量ではなく、インスリンホルモンの分泌量であるためです。
インスリンホルモンを食事療法に関連付けて以下に記載します。
ダイエットを成功させるおすすめの方法が糖質制限
白米やアイスなどの糖質を摂取すると血糖値が上昇します。
上昇した血糖値を下降するために膵臓(膵β細胞)からインスリンが分泌され血糖値がコントロールされます。
インスリン分泌量は血糖値の上昇量に比例して増大します。
多量の糖を摂取して血糖値が大きく上昇すれば、その分インスリンは多量分泌されます。
インスリンは血糖値の下降以外に以下の2つの作用があります。
・脂肪の蓄積
・中性脂肪の燃焼を抑制
この作用がダイエットにおける主問題点です。
つまり肥満を形成する脂肪の蓄積は、インスリンの過剰分泌によって生じます。
そのため糖質制限ができれば理論的に、脂肪を落として体重を減少させるダイエットは成功する可能性が高いです。
糖質制限ダイエットが短期間で必ず成功すると明記できない理由
100%成功すると明記できない主な理由は、以下の3点です。
・不眠やストレスなど自律神経障害などでホルモンバランスが崩れる
・インスリン抵抗性が高い
・内科的な要因により糖新生が阻害
インスリン抵抗性とは?
インスリン抵抗性は血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない状態をさします。
インスリンの効きが悪くなった結果、血糖値を軽度下げるだけでも大量のインスリンが必要となります。
この状態をインスリン抵抗性が高いといいます。
慢性的にインスリンの血中濃度が高い結果、脂肪は蓄積され続け糖質制限のダイエットを阻害します。
インスリン分泌の欠乏やインスリン抵抗性が高い状態によって糖質、脂質、タンパク質の代謝が障害される病気が糖尿病です。
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糖新生とは?
赤血球や脳細胞はブドウ糖をエネルギー源としています。
糖質制限下では糖質が摂取されないため、代替手段を用いないと赤血球や脳細胞は機能できなくなります。
その代替手段が糖新生です。
具体的に糖新生とはアミノ酸や脂肪酸を基に肝臓でブドウ糖を産生する仕組みをいいます。
糖新生により糖質制限下でも赤血球と脳細胞は正常に機能することが可能となります。
内科的な障害により糖新生が障害されると赤血球と脳細胞は正常に機能できないため、糖質制限のダイエット方法は失敗する可能性が高いです。
ダイエットでリバウンドを予防する効果的な方法はタンパク質の摂取
筋肉の主成分はタンパク質と水分です。
そのため減量によりタンパク質まで減少すると筋委縮が進行し筋肉量が低下します。
筋肉内に存在するミトコンドリアはクエン酸回路を用いて代謝を促進し脂肪燃焼する作用があります。
筋肉量が低下するとミトコンドリアも減少するため基礎代謝量が低下します。
その結果、リバウンドしやすい体が構築されます。
実はタンパク質を摂取してもインスリンは少量分泌されます。
しかしタンパク質の摂取はインスリン分泌量以上にグルカゴンというホルモンを分泌します。
グルカゴンは脂肪燃焼を促進します。
結果としてタンパク質の摂取は少量のインスリン分泌は生じるものの、筋肉量低下を予防しグルカゴンを分泌するためリバウンドしにくい体づくりのために摂取が必須といえます
タンパク質摂取量は最低でも体重1kgあたり1gが推奨されています。
ダイエットの食事メニューを調節し糖質から脂質へのエネルギー変換を促進
人間の体は本当によくできており、心臓を含め大抵の臓器は糖質がなくても脂質をエネルギー源とすることができます。
上述したようにブドウ糖をエネルギーとしているのは赤血球と脳細胞です。
しかし糖新生により脂質をブドウ糖に変換することで正常に機能することができます。
脂質は摂取してもインスリンが分泌されません。
つまり脂質をエネルギー源とすることで脂肪の蓄積を予防することが可能となります。
ライザップの戦略も糖質制限が主軸の1つ
あくまで私の主観ですがライザップの戦略を形成する軸は大きく3つあると考えています。
①食事療法で筋肉量は担保しつつ脂肪を落として体重減少。
②赤筋繊維を鍛えて筋に張力(硬さ)を生み出す。
③白筋繊維を鍛えてボディラインを形成。
今回の記事で主に述べたのは①の食事療法です。
長距離ランナーのような細マッチョの体づくりや短距離ランナーのような筋骨隆々とした体づくりを行うにもまずは脂肪を落とす必要があります。
糖質から脂質にエネルギー源を変換することと、タンパク質と水分を摂取し筋肉量を低下させないことが重要なポイントとなります。
ライザップでは脂肪を落とした状態から筋の硬さがありミトコンドリア保有量の多い赤筋繊維を鍛えます。
赤筋繊維を鍛えたら、最後に筋肥大する白筋繊維を鍛えてボディラインを形成します。
こう考えるとライザップの戦略は非常に理にかなっていると思います。
まとめ
ダイエットで短期的かつ効果的に痩せる方法が食事療法だと考えた理由を記載しました。
健康的かつ短期間に脂肪を落とす目的のダイエット手順は以下のとおりです。
・糖質制限してインスリン分泌を抑制
・糖質から脂質にエネルギー変換。エネルギー産生は糖新生
・タンパク質と水分を摂取し筋肉量を担保
カロリー理論のダイエットはリバウンドしやすい上に筋量も低下する可能性が高いため私個人としては推奨しません。
ダイエットには正しい知識をもって臨むことが大切です。