リハビリで使う寒冷療法の効果と禁忌、使用方法に関して

寒冷療法は臨床上あまり見かけないアプローチですが、過緊張や筋緊張亢進の緊張緩和作用が図れるアプローチ方法の1つです。

今回は、寒冷療法の概要と効果、臨床での使用感について記載します。

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寒冷療法とは?

寒冷療法とは局所的な冷却により皮膚の冷覚受容器を反応させ毛細血管を収縮させるアプローチ方法です。

寒冷療法の方法は主に以下の3種類に分類されます。

①冷風を用いて局所的な冷却を行う対流冷却法

②気化熱により冷却を行う蒸発冷却法

③アイスパック等の冷却材や冷水を用い局所的な冷却を行う伝導冷却法

リハビリテーションにおける寒冷療法は、アイスパックを使用した伝導冷却法を用いる割合が多いです。

寒冷療法の効果

リハビリの臨床上、覚えておくべき寒冷療法の効果は以下の2つです。

外傷・整形外科手術後の急性期における炎症・疼痛緩和

寒冷刺激で痛みが軽減するメカニズムは明確化されてはいませんが、痛覚受容器の温度が低下した結果、痛覚の閾値が上昇する理由が主と考えられています。

過緊張・筋緊張亢進に対する緊張緩和作用

筋緊張亢進のメカニズムは、錐体外路障害によりα繊維を抑制しているⅡ群繊維の機能が破綻し、Ⅰa群繊維がα繊維に興奮性刺激を送ることです。

寒冷療法は一時的なγ運動ニューロンの活動性低下に伴う伝達速度低下作用があります。

この作用により興奮性の刺激を送るⅠa群繊維の活動性が低下し過緊張・筋緊張亢進の緊張が緩和されます。

結合組織の伸張性低下に対しては、寒冷療法は効果が期待できないため温熱療法が選択されます。

表在性温熱療法のホットパック記事はこちらです。

深層性温熱療法の極超短波の記事はこちらです 。

寒冷療法の禁忌

以下の場合は寒冷療法禁忌となります。寒冷療法を施行する際は医師の指示に従って実施してください。

①重度の不整脈、心疾患、呼吸器系疾患を認める場合

②知覚障害を認める場合

③深部静脈血栓症を認める場合

④末梢循環障害を認める場合

⑥炎症性腎疾患を認める場合

⑦開放性外傷を認める場合

⑧寒冷過敏症

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寒冷療法(アイスパック)の使用方法

①冷凍庫からアイスパックを取り出します。

②アイスパックにビニール袋をかぶせます。

③ビニール袋の上からバスタオルを1~2枚を巻きます。

④対象部位に20分~30分程度あてます。

※実施中は自覚症状と他覚所見を確認し凍傷に予防してください。

臨床上でのアイスパック使用感

主に脳卒中片麻痺者の筋緊張亢進の緊張緩和目的でアイスパックを使用しました。

具体的使用部位は、ハムストリングスと下腿三頭筋に使用する割合が多いです。

事前準備としてリハビリ対象者や対象者のご家族に対し、介入30分前に筋緊張亢進を認める筋へのアイスパック施行を依頼し実施していただきました。

寒冷療法の1番のデメリットが大幅に時間を費やすことです。

事前準備を行うことで、筋緊張亢進している筋の緊張緩和が図れた状態で介入が開始可能となり効率的なリハビリが行えます。

デイケアでのリハビリやリハビリ対象者・対象者のご家族の協力が得られない場合、時間対効果を考えると寒冷療法よりもストレッチや動作練習の方が望ましい場合も多いかと思います。

まとめ

寒冷療法の概要と効果、臨床での使用感について記載しました。

筋緊張亢進を認める筋に対する即時的な緊張緩和方法として寒冷療法は有効的なアプローチ方法です。

寒冷療法は時間を大幅に費やすため、上述したようにリハビリ対象者や対象者のご家族の協力を得て介入前に施行していただく方法が望ましいです。

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