円背(猫背)原因の特定方法と改善するリハビリに関して

円背(猫背)は日常生活において身近な問題の1つです。

円背姿勢を呈すると頸部周囲筋が過緊張し筋緊張性頭痛を誘発する等の問題が生じます。

今回は円背の概要と機序、原因を特定する方法と改善するリハビリ方法に関して記載します。

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円背(猫背)の概要と機序

円背は脊椎湾曲症の一種で胸椎が過後弯した状態をさします。

胸椎過後弯の機序は胸椎以下の筋力低下や過緊張、骨性変化が主要因で生じます。

胸椎レベルで胸椎過後弯が生じる機序

主に以下の4点が要因で胸椎過後弯が形成されます。

・僧帽筋中部繊維の筋力、筋出力低下

・僧帽筋下部繊維の筋力、筋出力低下

・大小菱形筋の筋力・筋出力低下

・大胸筋の過緊張

肩甲骨外転位が長期化すると大小菱形筋が牽引・持続伸張され筋虚血による疼痛が生じます。

腰椎レベルで胸椎過後弯が生じる機序

腰椎レベルでは、脊柱起立筋に筋力低下が生じると骨盤前傾が減弱し骨盤後傾を呈します。

また腹直筋の過緊張や短縮によっても骨盤後傾が誘導されます。

骨盤後傾位では運動連鎖により胸椎過後弯が形成されます。

運動連鎖のメカニズムの詳細はこちらです。お時間があったら閲覧ください。

下肢レベルで胸椎過後弯が生じる機序

下肢レベルにて、ハムストリングスは短縮位で過緊張が生じやすいです。

ハムストリングスの短縮により股関節・膝関節屈曲が生じ運動連鎖により骨盤が後傾することで胸椎過後弯が形成されます。

胸椎過後弯の運動連鎖で頭頚部前方突出

胸椎以下の筋力低下や過緊張により胸椎過後弯が生じると運動連鎖で頭頚部が前方突出し肩峰より耳垂が前方に位置し以下の姿勢を呈します。

・上位頸椎が過伸展

・下位頸椎が屈曲

上位頸椎の過伸展に伴い、頸椎伸展作用がある僧帽筋上部繊維に過緊張が生じます。

また肩甲挙筋も持続的に牽引・伸張されるため過緊張を呈します。

頭部が前方突出したため骨性(頸椎)のみでは支持しきれず、筋肉を過緊張させ頭部を支持する戦略をとります。

その結果、以下の筋に過緊張が生じます。

・斜角筋

・胸鎖乳突筋

このような機序で頸部周囲筋には過緊張が生じます 。

持続的な胸椎過後弯に伴う骨性変化

胸椎過後弯の姿勢が長期化すると胸椎の椎体が変形します。

筋力低下や筋の過緊張が主で生じる筋性が要因の円背はリハビリで改善可能な場合が多いです。

しかし椎体自体が変形している骨性が要因の円背はリハビリアプローチが困難で手術適応となります。

円背へアプローチする場合、形成している要因が筋性か骨性かを見極める必要があります。

円背の形成要因を筋性から骨性に移行させないためにも後述するリハビリは重要です。

また以下のような姿勢サポーターを日常生活内に導入し筋性から骨性への移行予防を図る選択もあります。

リハビリで円背姿勢改善の即時効果は得られるものの持続しない場合などに検討しても良いかと思います。

姿勢が良い方はともかく、セラピストで猫背の方は自身の姿勢矯正もかねて1つは持っておいても損はない商品(紹介商品はMサイズ)です。

姿勢矯正を意識下から無意識化に昇華することが非常に難しいことが実感できると思います。

拘縮に関する概要とリハビリの詳細はこちらです。お時間があったら閲覧ください。

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円背(猫背)の原因を特定する方法

筋力低下や筋緊張異常による円背は、円背姿勢を矯正しようと思えば一時的には可能です。

この特性を利用してチェックすることができます。

具体的方法としてまず椅子座位、骨盤中間位にて胸が張れるかチェックします。

胸が張れない場合は椎体の変形が原因の可能性が高いです。

胸が張れるのであれば背臥位でベッドに胸背部・後頭部が接地可能かチェックします。

両股関節が屈曲位であれば胸背部・後頭部は接地可能な場合、股関節・膝関節に伸展制限が主要因で円背が生じている可能性が高いです。

股関節・膝関節が屈曲位とならずに胸背部・後頭部は接地可能であれば、胸部以下の筋力低下や筋緊張異常が原因で円背姿勢が生じている可能性が高いです。

上述の評価方法は脊柱の構造と関与する筋肉の作用に基づいた方法です。

脊柱の構造と作用はイメージし難いですが、下記の書籍は写真や図が多く視覚的に理解しやすい一冊でした。

筋力低下と筋緊張異常が要因の円背を改善するリハビリ

胸椎過後弯を生じさせる過緊張筋の緊張緩和を図りつつ、筋力・筋出力低下を認める筋の筋力増強を行い、円背姿勢の改善を図ります。

特に以下の筋の筋力トレーニングは筋力・筋出力低下で生じる円背改善に重要です。

・僧帽筋中部

・僧帽筋下部

・脊柱起立筋

頭頚部周囲筋の過緊張を緩和するストレッチ

胸鎖乳突筋のストレッチ方法

椅子座位で背筋を伸ばし手を背中に固定します。頸部を伸展・側屈し伸張します。手で牽引するとストレッチ強度が増大します。

斜角筋のストレッチ方法

椅子座位で背筋を伸ばし手を背中に固定します。頸部を伸展・回旋すると伸張します。手で牽引するとストレッチ強度が増大します。

僧帽筋上部のストレッチ方法

椅子座位で背筋を伸ばし手を背中に固定します。頸部を側屈すると伸張します。手で牽引するとストレッチ強度が増大します。

僧帽筋上部・中部繊維 のストレッチ方法

椅子座位で背筋を伸ばします。両手を後頭部で組み頸部のみ屈曲方向へ牽引します。

肩甲挙筋 のストレッチ方法

椅子座位で背筋を伸ばし手を背中に固定します。頸部を屈曲・軽度回旋し伸張します。手で牽引するとストレッチ強度が増大します。

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胸部周囲筋の過緊張を緩和するストレッチ

大胸筋 のストレッチ方法

立位で肘をもちあげ壁につけます。体を対側へ回旋させ伸張させます。腕の高さを変えることで上部・中部・下部繊維の伸張が可能です。

胸部・腰背部周囲筋の筋トレ方法

僧帽筋中部・下部繊維の筋トレ方法

フェイスタオルを用意します。

左手でタオル左遠位、右手でタオル右遠位を把持します。両手で把持したまま両腕をあげ、頭の後ろにタオルを持っていきます。

左右方向に5秒タオルを引っ張ります。これを1セットとして筋トレを実施します。

バルサルバ効果による血圧上昇に留意しリスク管理の下行ってください。

脊柱起立筋の筋力増強練習

ダイアゴナルを実施します。四つ這いから一側の上肢と反対側の下肢を拳上し保ちます。

困難であれば一側上肢のみか一側下肢を挙上します。

運動負荷を高める場合は同側上下肢を挙上します。

下肢のストレッチと筋トレ方法

・ハムストリングスの過緊張、大腿四頭筋(内側広筋)の筋委縮は骨盤後傾に作用し胸椎過後弯を形成する一要因です。

他にも大殿筋、腹直筋の過緊張は骨盤後傾に作用します。

・骨盤前傾に作用する腸腰筋・大腿直筋の筋委縮・筋出力低下により骨盤後傾が生じている可能性もあるため、評価し必要に応じて筋力増強練習を行う必要があります。

まとめ

円背の概要と機序、原因を特定する方法と改善するリハビリ方法に関して記載しました。

姿勢観察を行い過緊張が生じている筋肉の緊張緩和と筋委縮・出力が低下している筋に対する筋力増強練習が主軸となります。

筋肉・筋緊張が要因の円背は生活習慣が多大に影響します。

円背へアプローチすると同時に必要に応じて環境調整も行えると良いかと思います。

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