BPSDとは?評価方法と対応、リハビリ治療を詳しく解説

認知症に対して介護者が苦慮する事象に徘徊や暴力、暴言、ものとられ妄想などがあります。

これらの事象はBPSDに位置づけられます。

BPSDの概要と事象、評価方法や対応、リハビリ治療に関して記載しました。

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BPSDとは?

認知症の症状は以下の2つに大きく分類されます。

・中核症状

・行動、心理症状(周辺症状)

このうち行動・心理症状(周辺症状)は対象者がおかれている環境や人間関係・性格などが複合して生じます。

行動・心理症状は、別名BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼ばれています。

BPSDの具体的症状

BPSDは大きく精神的周辺症状と身体的周辺症状に分類されます。

精神的周辺症状

・幻覚

・妄想

・せん妄

・抑うつなど

身体的周辺症状

・徘徊

・暴言、暴力

・異食

・不眠など

BPSDの出現時期に関しては色々な文献が散見されますが、正直一概には言えないというのが個人的な意見です。

そもそもBPSDは脳画像や中核症状と必ずしも一致しない症状が出現します。

そのためBPSDの具体的症状は環境や心理状態によって1人1人異なります。

BPSDを理解するには評価指標を用い個別性を重視したリハビリを展開する必要があります。

BPSDの評価指標は以下の2つが代表的かつ有用です。

・DBDスケール(Dementia Behavior Disturbance Scale)

・NPI-NH(Neuropsychiatric Inventory Nursing Home Version)

BPSDの評価指標であるDBDスケールとは?

DBDスケールは認知症により生じる問題行動28項目の頻度を評価する方法です。

問題行動28項目には精神的周辺症状と身体的周辺症状が具体的に記載されています。

DBDスケールは行動観察により各28項目の点数付けが可能な指標です。

各項目において0点:「全くない」、1点~4点:「ほとんどない」~「常にある」の5段階で評価し総得点を算出します。

項目毎に得点が高いほど頻度が多いことを示します。

重要なポイントは0点以外、つまり1~5点であればその項目は異常と判断します。

1点は5点と比較しあくまでその問題行動が出現する頻度が少ないという結果になります。

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BPSDの評価指標であるNPI-NHとは?

NPI-NHはBPSD12項目に対し以下の3点を評価する指標です。

・頻度

・重症度

・負担度

認知症のBPSDの対応で1番苦慮する人は介護者です。

NPI-NHは介護者から見て、BPSDを有する方の問題行動頻度・重症度を評価できます。

評価者と対象者が一定ですので、定期評価として有用な指標です。

またNPI-NHの特筆すべき点は介護者の負担度を点数で可視化できることです。

NPI-NHは12項目のBPSDを評価しますが5項目が改善しても、介助負担が大きい1項目が悪化すれば、介護者の負担度は増大する可能性があります。

BPSDの対応

BPSDの対応をする前に原因分析を行う必要があります。

BPSDの出現には理由があります。

そのため問題行動がなんで生じたのかを知る(情報収集する)必要があります。

対応は情報収集しつつ実施しますが、認知症者のBPSD出現時には認知症者へ嫌悪感を与えないことが重要です。

記憶障害を有している認知症者でも嫌悪感は記憶に残りやすくBPSDを増悪させる要因となります。

その場での対応力を磨くことも大切ですが、BPSDの頻度・重症度が将来的に減少する対応が根本的解決には必要です。

具体的にはBPSDを減らす治療アプローチを生活場面におとしこむことが必要となります。

ここが理学療法士の腕の見せ所であり1番大変な部分です。

BPSDのリハビリ治療

DBDスケールやNPI-NHで問題行動の種類と頻度、重症度、介護負担感は評価・把握できます。

治療アプローチは人それぞれの性格や環境が大きく関わる点なので絶対これがいいというものは正直ないです。

ただ経験上、性格を考慮しつつ病前の趣味を反映したアプローチを行うと問題行動が減る割合が高いように感じました。

例えば、認知症発症前に料理が趣味で話好きの方であれば調理練習を選択します。

簡易的に行えるもやし炒めを選択した場合、

①BPSD出現時にもやしの根っこ取りを認知症者へ依頼する。

②認知症者ともやし炒めの調理練習を実施する

③認知症者が作ったもやし炒めを家族や周りの人と共に食べて感想などを話し共有する。

その際、①~③の工程でBPSDが出現したか否か、また頻度が減ったか否かを評価します。

このようにBPSDを減らす治療アプローチを生活場面におとしこみ、BPSDの頻度・重症度・介護負担感の減少を図ります。

まとめ

日本は超高齢化社会に突入し、2030年には全人口の1/3が65歳以上の高齢者となることが予測されています。

高齢化に付随し認知症者数も増大することが危惧されます。

その際、リハビリテーションアプローチでBPSDの頻度・重症度の減少が図れれば在宅生活の維持や介助負担感の軽減に大きく貢献できると思います。

リハビリアプローチの中核の1つにBPSDの改善があると専門性が見いだせますね。

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